「ケンカが楽しくて、毎日誰彼構わず殴った。そして俺は、あっという間にグループの頭にまで上りつめた。もっと強くなりたくて、高校は憧れだった福羽学園に入って。数ヶ月かけて、やっとの思いでトップになったのに……!」
低く唸り声をあげると、透くんは目を吊り上げる。
「黒澤は入学してすぐに、俺からその座をアッサリ奪った。それからは、学校で黒澤に負けたヤツ呼ばわりされるようになって……ずっと許せなかった」
透くんがいきなりダンッと拳をコンクリートの地面に突きつけ、肩がビクッと跳ねた。
「この左目の瞼の傷も、あいつのせいで!」
透くんは左目に手を当て、ワナワナと肩を震わせている。
「だから俺はずっと、黒澤に仕返ししてやろうと思っていた。黒澤の大事なものを奪ってあいつを苦しめ、トップの座も絶対に取り返してやろうと……!」
「もしかして、透くんが私に近づいたのは……」
透くんは、ニヤリと笑う。
「ああ、そうだ。俺は最初から、黒澤の彼女であるお前をこうして捕らえる目的で近づいたんだよ。黒澤をおびき出し、学園のトップから引きずり下ろす道具にするためにな」
「そんな……」
目の前が真っ暗になり、私はガクッと膝から崩れ落ちる。



