「透くんのその学ランの制服って……福羽学園のだよね?」
「……うん。そうだよ」
「私と、同じ学校だったんだ?」
「ごめんね。隠すつもりはなかったんだけど……」
私のほうを見ずに答える透くん。
「ほら、福羽学園って世間ではヤンキー高校って言われてるからさ。ちょっと言いにくかったというか」
えっ。ということはこの間、黒澤くんが学校で透くんを見たことがあるって話していたのは、当たっていたってこと!?
「あの、聞いて良いのか分からないけど……小学生の頃から勉強ができた透くんが、どうして福羽学園に?」
透くんは小学生の頃、もしこのままいけば将来、日本最難関といわれるあの某国公立大学にも合格できるのでは? と、学校の何人もの先生に言われるほど優秀だった。
こういうことを言うのはあまり良くないかもしれないけど、福羽学園はどちらかというと、偏差値がそこまで高いほうではない。
だから……少し気になってしまった。



