黒澤くんの一途な愛



それから私はひとり、学校から家までの道を歩いていた。


黒澤くんのおばあちゃん、無事だと良いけど……。


先ほどの黒澤くんの青くなった顔を思い出すと、私まで胸が痛くなって。


すごく、不安な気持ちになってしまって。


地面を蹴る足のスピードも、自然と速くなる。


──ぽつり。


私がしばらく歩いていると、鼻先に冷たいものが当たった。


最初はポツポツと小降りだったのが、すぐに量を増していく。


うわぁ、雨! やっぱり降ってきた……!


私はスクールバッグから、黒澤くんに貸してもらった折りたたみ傘を慌てて取り出す。


借りた傘をさしながら、雨が降るなかを早足で歩いていると。


「……透くん!?」

「あ。栞里ちゃん」


シャッターが閉まったお店の軒下で雨宿りをする透くんと、バッタリ会った。


今日の彼は私服ではなく、高校の学ラン姿。


彼のいつもサラサラな黒髪も学ランも、雨でびっしょりと濡れてしまっている。