「はぁ……」
彼らがいなくなると、ようやくホッとして息を吐く。
「花村、大丈夫か!? 市川さんも!」
村崎くんが、こちらに駆けてくる。
「わたしは大丈夫だよ。ありがとう、村崎くん」
「いや……危ない目に遭ってるクラスメイトを助けるのは、当然だから」
蘭菜ちゃんに笑顔を向けられ、村崎くんが照れたように頬を搔く。
「それにしても、村崎くんって強いんだね? わたし、びっくりしちゃった!」
「そ、そうか? これは、璃久さんに鍛えてもらったお陰というか……」
蘭菜ちゃんに強いって褒められて、村崎くんも嬉しそう。
「赤松くん、村崎くん、ありがとう! 助けに来てくれて」
「ううん。今日は、なるべく花村さんの近くにいるようにって、璃久から頼まれてたから」
「黒澤くんが!?」
赤松くんの言葉に、先ほど南実さんと一緒に歩いていた黒澤くんの姿が頭を過ぎり、胸がチクッと痛む。
「花村さん、怪我とかしてない?」
「……」
「花村さん?」
「あっ、ごめん。赤松くん」
せっかく赤松くんが、声をかけてくれてたのに。私ったら、ボーッとしちゃってた。
「花村さん、もしかして今……璃久のこと考えてた?」
「えっ!」



