「栞里ちゃん、大丈夫?」
蘭菜ちゃんが、私を心配そうに見つめている。
「うん、ごめんね。私は大丈夫だから、早くカフェ行こう」
私は蘭菜ちゃんに余計な心配をかけさせたくなくて、無理やり笑顔を貼りつける。
そして彼女の腕をそっと引っ張って歩き、ひとつめの角を曲がったところで……。
「……あっぶねぇな」
私は反対方向から歩いてきていた男の人に、ぶつかりそうになってしまった。
「ごっ、ごめんなさ……」
「あれ? お前……」
「あっ!」
相手の顔を確認した私は、足がガクガクと震える。
私がぶつかりそうになったのは、銀髪ヤンキーの進藤くんだったから。



