おれは“祓えない退魔師”

 「ほ~~~いっ!!」

 変な叫び声とともに、寮の窓から校長が入ってきた。

 (毎回毎回、登場のしかたおかしいだろ)

 俺たちの顔を見回してにこにこと笑っている。

 「お邪魔じゃったかのぅ?」

 互いに顔を見合わせて、なんだか照れくさくなって苦笑してしまった。

 「どうしはったんですか?」

 東間がたずねると、校長はふむ、とうなずいて俺の傍に座った。

 「神代祐」
 「は、はい」

 俺は少し緊張しながら、布団から出て正座した。みんなも校長の前に正座する。

 「特別試験を実施することに決まった」
 
 驚いて目を丸くする。

 「本来、お主のような存在は退魔師には適さぬがーー」

 校長の視線は俺から士稀に移った。

 「バディでなら、退魔師として()れるかもしれん」

 士稀は静かにうなずいた。

 「先日、お主らが洞窟で封印を解いてしまった妖ーーあやつを再び封印することができたなら、お主がこの学園に所属することを許可しよう」

 「本当ですか?」

 士稀が前のめりになって聞くと、校長はうむ、としっかりうなずいた。

 「祐くんっ!」

 伊都がやや興奮気味に俺の背中をばしばし叩く。地味に痛い。

 (特別試験か……でも……)

 俺は手のひらをみつめ、ぎゅっと手を握りしめた。

 「また、消滅させちまうかも……」

 (力を制御できなければ……殺してしまうかもしれない……怖い)

 「その試験、俺らも参加していいですか? 祐くんのサポート役として」

 東間が真剣な顔で校長に聞いた。校長はふっと頬をゆるめる。

 「今それを言おうとしたところじゃ。東雲東間と白縫伊都は、サポート役として。夜刀士稀は、バディとして。神代祐の特別試験に力を貸してやってくれ」

 「「「はい!」」」

 三人は力強く返事をし、俺の頭や背中をぽんぽん叩いた。

 「試験は3日後。すまんが時間がない。あやつがいつまた暴れ出すかわからんからのぅ」

 校長はスッと立ち上がり、俺に封筒を差し出した。

 「お主の母上からじゃ」
 「母さん?」

 俺が封筒を受け取ると、では健闘を祈る! と言って校長は窓から飛び出していった。