おれは“祓えない退魔師”

 「今日はこれまでじゃ。午後は校庭に集合。解散!」

 先生が音もなく姿を消し、俺はまただらしなく畳に寝転がる。周りも、だるそうに声をあげながら姿勢を崩していた。

 「しんど~~~」

 ただ黙って座っているだけのことがこれほどつかれるとは。今日ほど、早く時間が過ぎろと願ったことはない。

 「おつかれさま~」
 「祐くん、めっちゃ叩かれとったな~」

 俺と同じく疲れきってふにゃふにゃしている伊都と、全く疲れている感じがしない東間が、顔をのぞきこんできた。
 俺は勢いよく身体を起こし、天井に向かって伸びをする。

 「叩かれたはずなんだけど、あんま痛くなかったんだよな」
 「先生の叩き方がうまいんとちゃうか?」
 「叩くのにうまいとか下手とかあんのかよ」

 俺たちが話している隣で、伊都がふらふらしている。立っているのも辛いらしい。東間が伊都を背負い、連れだって畳の部屋を出た。そこへ、すっと銀髪が通り過ぎた。

 「士稀くんも一緒に部屋もどろうや」
 「俺は寄るところがある」
 「トイレか? ほんなら、後で食堂で会おう。一緒にお昼食べよな~」

 東間の誘いに返事をせず、さっさと行ってしまった。

 「来ると思う?」
 「来ねぇだろ」

 東間が突然あっ、と叫んだので、びくっと身体が揺れた。

 「なんかデジャブやと思たら、入学式の時と一緒の流れやったな」
 「あ……、確かに」