一つ一つ憂先輩に与えられるものが、どんどん色濃く刈谷の胸の中に色づいて、ビビッド色に弾けそうなくらいコントラストが強くなっていく。
怖いのにわくわくして、いつの間にか嬉しくなる。
横浜支部で初めて先輩を見た時のあの気持ち。憧れの人に出会えて、今だ!話しかけなきゃ!っていう出しゃばった勇気。
あの日の自分に感謝して、いっぱい関わってきてくれる憂先輩との今の関係を大事にしたい。
妹でも、宇宙人みたいな妹でもなんでもいいから。私は憂先輩とこれからも沢山関わっていきたい。
だから先輩に悟られないよう、こっそり気持ちを隠さないといけないんだ。握りしめて隠したら、握り潰しちゃうから。私の胸の中に、そっとね。
ゆっくり私の頬を伝う涙が秋風に触れて、背中の体温が冷えていくのを感じた。
「あれ?…あなたは、晴雲酒造にいた……、」
後ろで声がして、頬を袖で拭いながら後ろを振り返る。
そこには、晴雲酒造で声を掛けてくれたストリートスナッパーさんがいた。
「あ!っと、『月間つくし』のお兄さん!」
「はは、まさか同じホテルだなんて。奇遇ですね!」



