こっから先ははじめてだから


ベッドの向こうには簡易キッチンとソファ、大きな窓の外には広めのウッドデッキがあって、開放感しかないコテージだ。


部屋に陽の光も差し込んで、ウッドデッキには暖炉も置かれている。せっかくの最高空間なんやから、爽ちゃんに楽しんでもらわんと。


「ウッドデッキ、出てみよか。」

「はい!」


爽ちゃんが笑ってくれて、自分も釣られて笑顔になる。


小さくて素直で、爽ちゃんの一つ一つの動きに目が離せない。きっとこれが親心とか兄心ってやつなんかなと解釈する。


ウッドデッキのガラスの窓をスライドして、森の空気を取り入れる。


ウッドデッキの前に立つ俺と爽ちゃん。二人で深呼吸をするように感嘆の息を吐く。

    
「……あんなに外では子供が走っとったのに、部屋は静かよな。」

「ほんとですね。」   
 
「なんや、大自然の中二人っきりの空間って感じやな。」

「……は、はい。」  
     
    
言葉に詰まったような返事。そのまま俯く爽ちゃん。


なんか、ちょっと前から元気ない?


心配になって、隣に立つ爽ちゃんの手をぎゅっと握る。爽ちゃんの腕がぴくりと動いて。それがかわいくて、指の間に自分の指を絡ませた。