こっから先ははじめてだから


部屋に入れば、手前に洗面所があって、2つ並びの広いベッドがすぐ目につく。


ツインで取ってあったはずなのに、なぜかベッドがくっつけられていて、寝相の悪さを疑われてるんかもしれない。


「……え。ベッド、くっついてるんですね……。」


爽ちゃんが、少し顔を赤くしてつぶやいた。


足元の爪先が落ち着かないのか、指がばらばらと動いている。戸惑っている感満載。そら、そうやな。 
 
 
「……嫌やった?」

「……え、ええと、」


答えによく詰まる爽ちゃん。きっと、俺が先輩やから、すぐに言いたいことが言えんのよな。


「……す、すみません。ちょっとだけ、嫌、かもです。」   
   
「……なら俺、向こうのソファで寝るし、」

「い、いえ!あの、それならフロントの人に言って、ベッド離して貰えばいいですし。」   

「ああ、そやね。」

「きっと……男女二人の旅行だから。カップルだと勘違いされちゃったんでしょうね。」

「………ああ。」  

   
そら、寝相の悪さを疑われてるわけないよな。爽ちゃんの言う通り、そら男と女が泊まるんやから、カップルだと思われてて当然だよな。


自分の心臓って、こんなに揺れるもんなんか?


何かに動揺している自分がいて、小さく頭を振る。