「…スカート禁止令出そか。」
「え、ええっ」
「あ、爽ちゃん、日本酒の飲み比べセットがある!」
見て見て、と、壁に貼られている3種飲み比べセットの貼り紙を指さして、すでに私よりも日本酒に興味津々になっている。
やっぱり私、先輩に置いていかれてます。
御膳2つと日本酒3種飲み比べセット1つを注文し、早速3種セットのお盆がやってきた。可愛い木のお盆に、ピンクと透明と青いグラスが置かれている。
「こちら奥より純米、純米吟醸、大吟醸となっております。」
店員さんから説明を受けて、私は純米から、先輩は大吟醸から頂くことになった。
「あー、純米はけっこう辛口ですね。でもキレの中にお米の味を感じます。」
「大吟醸はちょっと甘口やな。なんや、桃……いやリンゴみたいな香りがする。飲んでみ?」
先輩の青いグラスと、私のピンクのグラスを交換する。
ガラス細工の繊細なカット技術が施されたグラス。透明な日本酒が入ることで、光の屈折が美しく織りなされている。
「……このグラス、可愛いですね。」
「ほんま、小さめで手に馴染むよな。」
ふわりと果樹園の香りが鼻につく晴雲大吟醸。先輩の言う通り、これは甘さを感じる。純米とはまた全然違った味わいで、どっちも気分に変えて飲みたい日本酒だ。



