「次の酒蔵まで歩いて10分くらいやけど、どうする?電車で行く?」
色々調べてきてくれた上に、私に選択肢を選ばせてくれる先輩。選んだ選択肢によってストーリーが変わるのかもしれない。
でも現実の世界はリプレイが出来ないから、ぐっとこの瞬間を大事に秘めて選択していくっきゃないのだ。
「歩いて、いきましょうか。」
「うん、そうしよ。」
今絡ませている指を解きたくないから。先輩の指の間の温もりを感じていたい10分間。
でも道が一本道で細いため、並列から一列になって歩くことになり。結局3分後には解かれることになってしまったのだ。
3分でも私にとっては十分な思い出。世間で知られる“恋人繋ぎ”を、初体験出来たのだから。大事大事。
「爽ちゃん、グランピングってしたことある?」
「……ないです。」
「今日泊まるとこ、コテージタイプのホテルでな。庭で星空見ながらBBQできるとこなんよ。」
「へえ。楽しみだなあ。」
「コテージだとホテルみたいに部屋と部屋が密接してなくて、静かでええよな。」
ええですけど、それって、完全に二人っきりの空間が出来上がっちゃうわけですよね?
何度でも熱くなる私の顔。私の赤ちゃん脳でも、男女の営みを想像しちゃうことだってあるんです。



