見惚れている場合じゃないのに、憂先輩の高い身長と凄く釣り合っていて、ハーレム姿ですら絵になってしまう。正統派のハーレム漫画を製作するなら今だよ。
「お兄さん、彼女います?」
「そりゃいるでしょう!お兄さんくらいイケメンなら。」
「どんな彼女ですかあ?幼馴染とかー、以外にもお姉さん系とか?」
よくよく考えてみれば、今憂先輩の両隣にいるのはお会計の後ろにいた女性二人。
「ただの後輩」というレッテルを貼られてしまった私なんて、彼女たちの眼中にないのだろう。
ふと、“お姉さん系”という言葉で、なぜだか古馬都さんが思い出される。
同期であるという朋政課長と古馬都さんと、同じくらい憂先輩と古馬都さんもお似合いだもんなあ。
どう頑張っても自分が先輩に釣り合わないから、悔しいなんて感情は抱くもんじゃない。悔しさは淡い期待とも呼べるのだ。
私はそういう人間じゃない。私は人間が苦手な宇宙人だから。そんな図々しくことを思えるほどの人間にはなれないんだ。
一人で失笑にも似た情けない吐息が、地面にヒタヒタと落ちていく。



