〈ぜひぜひ☺️ちゃんと旅費は自分で出しますよ。〉(未送信)
もっと喜びが伝わる絵文字の方がいいのかな。
どんな絵文字がいいかと画面を見ていれば、トレイから帰ってきたぱるるんが嬉しそうな声で言った。
「あれー?刈谷、なんか嬉しそうじゃん。」
慌てて画面から顔を離し、「そ、そうかなあ」と嬉しさを悟られまいとするも、すでにもう遅い。
「……ねえ、ぱるるん。」
「なに?」
「恋愛で人を好きになる時って、どんな気持ちなの?」
酔っていないけど、酔っているふりをして“好き”の気持ちが知りたくなった。
まだこれが、恋と呼べるかどうかは分からないけれど。
「え?……うーん。頭の上で鐘が鳴る感じ?」
茶化されるのかと思えば、ちゃんとした答えが返ってきて自分の目が丸くなる。
「鐘??」
「ほら、リーンゴーンって。白い鳩が飛んでいく感じ?いっとくけど除夜の鐘じゃないよ?!」
「……ちょっと除夜の方かと思っちゃった。」
「それボーンって、暗い感じになっちゃうじゃん!」
大晦日にひたすら鳴り続けている除夜の鐘。ゆく年くる年と共に恋が始まるのかと思ったら違ったらしい。



