こっから先ははじめてだから


「憂さんってあのドライで俗世に興味のない憂さんでしょ?」            
 
「自分の異動歓迎会にすら出席しない人だよ?小動物の刈谷なんて絶対興味ないって。」

   
異動歓迎会>刈谷ってこと?そりゃそうだよ。仕事と小動物比べないでよまゆゆ。


「って、憂先輩、自分の歓迎会にも出席したことないの??」 

 
そこが一番ビックリなんだけど。飲み会に参加しない話は有名だけど、自分の歓迎会だよ?だって、この間の私の歓迎会は来てたよね?  


キスされた時と同じくらいドキドキするのは桂花陳酒のせい?


「うん、営業から経理、経理から総務に異動する時の話ね!」

「なんでまゆゆそんな詳しいの?」

「朋政先輩がゆってた。」


ぱるるんとまゆゆは二人共新卒以来、同じ部署で育ち、当時まだ横浜支部にいた朋政課長が教育係だったんだって。


鬼の先輩の元、相当しごかれたらしいよ。


「そうだ、ぱるるん!私朋政課長から手紙預かってきたんだった!」

「え?先輩から?……嫌な予感しかないな。」


私が鞄から、ハートシールのついた手紙を取り出し、ぱるるんに渡そうとする。


でもぱるるんは心の準備が整わないらしい。


桂花陳酒のグラスを手に取り、アルコールで喉を潤そうと二口飲み込む。