こっから先ははじめてだから


まゆゆよりもまともなぱるるんが、水餃子を二個食いしながらもごもごと口いっぱいに頬張る。 


「それっへちゅまひぃ、かりはにが誰かにキフはれはってことほぉ?」

「食い意地の張った4歳児ぱるる。」  

「それって刈谷が誰かにキスされたってこと?」


ごめんごめん、と桂花陳酒で流し込んでから言ったぱるるん。その言葉に、目の前に座る二人の顔が見れなくなる。


「う、……うん……」

「待って!わかった!アイツか!人事の家煎歩澄《いえいりほずみ》!」

「へ?だれ??」

「人事のクズ男だよ!女上司に媚び売るために不倫してたとかなんとか!」

「もう。まゆゆの頭の中身って週刊誌なの?」


眉根をひそめる私が、中華人参しりしりに手をつけるも。二人は目を輝かせ、回答を求めてくる。


だから勇気を出して、冷淡な彼の名前を出してみた。


「……実はね。総務の、憂先輩…。」


「ないな。」
「うん、ないないキスとかあり得ない。」


二人が、はあ、と大きくため息を吐き、ゴマダレ油淋鶏をさくさくと食べ始める。


どうやら私の妄想だと思っているらしい。