緊張を紛らわそうと買った國盛は、すでに濁りの白が底に沈んでいる。
テーブルの上の國盛を取ろうとしたところで、寝息と共に小さな寝言が聞こえてきた。
「……ん、……い」
毛布に唇が被さり、何言うてるかよう聞こえん。
そっと毛布を爽ちゃんの唇から外し、その唇の動きをじっと見てしまう。知らんかった。自分、こない変態やったんか。
「すぐ……せん、ぱい」
「…………」
自分の名前が呼ばれていたのかと気付けば、ブワっと顔面に熱さが伴う。
六神君にわけも分からず嫉妬してしまった自分が恥ずかしくなって、爽ちゃんに謝るようにして髪を撫でた。
毛先が外巻きにくるりとなったモカ色の髪。ワンレン?っていう髪型はやたら大人っぽいのに、爽ちゃんがすれば何でも可愛らしくなってしまうもんやなあ。
手にしようとしていた國盛よりも、眠る爽ちゃんに魅入られて。あんまり見ては変態すぎると自制し、その背中側に移動した。
こっそり、起こさんように爽ちゃんと同じ布団に入る。
なんや、自分も眠たなって。まだ23時にもなってへんのに。
爽ちゃんの体温が広がる布団の中で、さらに眠気が誘われる。
「お休み。」
そっと耳元で囁いて、爽ちゃんを背中から包むようにして寝てしまった。
あかんな。俺。



