「ほい、どうぞ。」
「ほ、ほい、ありがとうございます!」
ほいほい憂先輩のバニラアイスに釣られて自分の口が自然と開いてしまう。充電式センサーが反応して、口があーんって。ぱくりって。
今さら関節キスにドギマギする余裕もなく、憂先輩のバカで可愛いロボットになれそう。
私が無感情でバニラとチョコのセッションを堪能していれば、憂先輩がじっと私を見てくる。
「なあ、俺にはやってくれへんの?」
「え?」
「チョコ、あーんしてくれへんの?」
「あ、ああっ忘れてました!!」
食い意地が張っているのよ私。って理屈で表面上を繕って、ずっと先輩にあーん。が出来ずにいたんです。頭の中では白状しました。
「は、はい、せんぱい。」
きゅっと心臓を固めて木の木目が可愛いスプーンで、先輩にあーんをする指が揺れるから、動揺は繕えそうにない。
「待って、爽ちゃん、指ついとる。」
「へッ、」
先輩が、私が差し出したスプーンからチョコを食べて。それからスプーンを持つ手首をつかまれる。
「ここ、垂れそう」
私の指から垂れそうなチョコに反し、ゆっくりとした動きの憂先輩。まつ毛が長いし、前髪が夜でもさらさらしているのが狡い。
私の人差し指につくチョコを、舌先で舐めてから、じゅっと吸われて。ドクターフィッシュより遥かにえげつない。



