こっから先ははじめてだから


「爽ちゃんの下着、俺の好きなバニラ色でいこ。」
「っ?!」


Sサイズのアイボリーショーツをさらりと手に取り、カゴに入れる先輩。

あまりにも自然な流れで入れるもんだから、やっぱ西のスパダリは女性の扱いに慣れてるのかなあって。

冷淡冷徹でも、女性と2人の時のボーナスステージは、すでに何度かクリア済み?

そうだよねえ。30歳だしスパダリだし。刈谷とはレベチなの当たり前かあ。わんわん。

気管支から胸につかえるものがあるけれど、白いご飯を食べて日本酒で流し込めば、きっとつかえも取れるはず。

なんて思っていたら、先輩が本当にレトルトのご飯とワンカップ酒をカゴに入れていた。

こんなところで以心伝心、発揮しなくてもいいですって。

レジに並んでいる前では、さっきのお若いカップルがお会計をしている。

その様子を見てなのか、先輩が小さく「あ、」と声を漏らした。


「買い忘れかなにかですか?」


私が先輩の代わりに取ってきましょうか?と尋ねれば、先輩は片手で口元を抑えて咳払いをする。


「……あかん。なんでもないよ。」


少し先輩の頬が赤く染まっている気がしたのは、気のせい?