こっから先ははじめてだから


「あ、帰りに爽ちゃんとおんなじ名前のアイス買うてこ?それならええ?」 

「……あ、わたし、チョコが好きなんです!」

「俺はオーソドックスにバニラ。半分こする?」

「半分こして、マーブル模様作りたいです!」

「ん。じゃあ、俺んち行こっか。」

「ほ、ほい」

「ほい?」

「あ、アイスに釣られて、ほいほいついてく女でも、軽蔑しませんか?!」

  
な、なに言ってるんだろう刈谷。

顔から火が出そうで、一体自分が何を期待してついていくのか。ってちゃうちゃう、何のために行くのか、もうわけが分からない。  


「軽蔑してたら、一緒にアイス半分こする話なんかせえへんよ?」


先輩が私の手を引いて、先輩路線のホームへと連れて行く。

まるで飼い主が、後ろを歩くチワックスを気にするように何度か振り返って。『大丈夫?大丈夫だよ。』って、私に微笑みかける憂先輩。

ホームの風に揺れる先輩への想い。勢い任せにちょっと強め。そのまま流れ出そうで、きゅっとスカートのひだを抑える。


先輩、先輩にとって私は妹ですか?それともチワックスですか?

体調の悪かった身体が、少しだけうきうきしている。