同期の福間《ふくま》まゆゆが言っていた。アラサーになると、男の人との身体の関係が雑になるって。
若いころの方がずっと慎重で壁をつくっていた部分があったのに、仕事のストレスで自暴自棄になってどうでもよくなるって。
あれ?これってまゆゆだけの話かな。
先輩、すごくいいづらいんですけど、刈谷、27歳にして未経験でしてね?ありえないですよね?
魔法使いになったら魔法薬学は勉強したいけどクィディッチはやりたくないなあ。
私が気まずそうに俯いてしまえば、先輩が察してくれたのか。私の腕をパッと離してくれた。
「あ、ちがう。ちがうから、爽ちゃん。」
弁明するように手で“ちゃうちゃう”とメトロノームを刻む先輩。そのリズムは割りかしゆっくりだ。
「俺んち、メゾネットタイプでな?爽ちゃん2階で寝ればええし。俺、1階希望やから。ほんと、勘違いせんとって。」
いつも冷静で慌てた様子は見せないから、今も冷静に、のんびりと弁明しようとしている憂先輩。
「手は出さへん。安心して?って、言葉にする方が逆にあかんかもなあ。」
言いながら私の頭を撫でてくるから、説得力はどこにも見当たらず。でも先輩はふわりと柔らかく笑うから、きっと刈谷は妹のように扱われてるんだろうなあ。



