「どこ見てんだ!気をつけろよッ!」
すごい剣幕で睨まれて、「すみません」が最後まで言えず。おじさんはずかずかと反対方面を歩いて行く。
にじむ涙を手の甲でぬぐう。
私も早く帰ろうと、ホームまでの階段を下りようとした。
ばくばく心臓が鳴り止まない。
ぼやけて霞んで、視界がよろしくないせいか、段差がよく分からなくって。
かくんと膝が崩れた。
「爽ちゃん!」
「わっ!」
腕をがっしり痛いくらいにつかまれて。刈谷は間一髪も二髪もまぬがれたのだ。
あわて果てた憂先輩によって。
「大丈夫?!」
「っ、せ、んぱい……」
またブワッと涙が溢れかけるも、憂先輩はなんでか、つかんでいた腕を持ち上げたまま反対の腕で私の身体をがっちり抱きとめている。
あっれーー……?恥ずかしすぎて、涙、どっかいった。
憂先輩は軽々と私を持ち上げるように、階段の上へと引き戻す。
どうしたことか、それからそのまま先輩ったら、私を後ろから抱きしめてきたからもう大パニック。



