こっから先ははじめてだから


「爽ちゃん、お酒強いね!全然酔わないの?」


家煎さんが明太アボカドサラダを取り分けてくれて、私と小窪さんの前に置いてくれた。


女性の心をつかんで離さないと噂のアボカド入サラダ。さすが、女性の心をつかみにいこうとする家煎さん。


「そうですね。酔ったこと、ないかもしれないです。」

「マジかあ。なら酔った勢いでーみたいなエピソードもない感じ?」

「い、勢いでーとか、一切ない感じです。」

「俺、貞操観念がしっかりしてる子好きだよ。」

「は、はあ……」


小窪さんも苦笑いで、とりあえず明太アボカドサラダを食べながら「美味しいねー」と同意を求める。


貞操観念もなにも、経験自体ない場合はどういった部類に入るのかしら。憂先輩は至って冷静にオクラをつまんでいる。


「そういや憂、最近よく飲み会顔出してるよね。」

「……いや?歓迎会と今日だけ。」

「こいつ、全然笑えないし喋る気ないのにモテるからさあ。気ぃ使うこっちはほんと迷惑してるんだよ。」

「使われた覚えはない。」

「いやお前じゃなくって、女の子にだよ。」


やっぱり先輩、モテるんだなあ。私が視線を伏せれば、家煎さんが、憂先輩のモテエピソードをシーズン1から語り始めた。