こっから先ははじめてだから


「この間、この人からガラスのコップを貰いました。」
  
「……え。ああっ。そ、そうなんだあ。」  

「本を探してくれたお礼だって言って。ちょっと怖そうな人だったから、ホッとしました。」

「そ、そっかあ〜。良かったね!」  


色々情報量がなだれ込む中、どうしようもない食い違いが上手い具合に当てはまる1000ピースほどのパズル。


私もホッと胸を撫で下ろしたところで、思い切って先輩に電話をした。


二人には、お母さんには迷惑かからないように、でも心配されるといけないから、同じ部署のスーさんには連絡しておくねって伝えた。


『……爽、ちゃん?』

「せ、先輩。あの。誤解を解きたいのと、謝らないといけないことがありまして…」

『ちゃうよ。謝らないとだめなんは、どう考えても俺の方……』

「す、すみません。それよりも実は今、スーさんのことをよく知る子たちが会社の前に来てまして。」

『……え?なに。…スーさん?』

「はい、スー李月さんです。」

『……えっと。なにゆうとる?…』            
  
  
先輩に事情を説明したところで、先輩が古馬都さんに伝えてくれることになった。 


古馬都さんを待つ間、二人は双子で、お父さんはいないことを教えてもらった。今はお婆ちゃんの家にいて、今日は思い立ってお母さんに会いに来てしまったのだとか。


ビルから離れた木の陰で、三人で指スマをして遊んでいれば、向こうから二人を呼ぶ声が聞こえた。