「すみません。ちょっと、道を尋ねたいんですけど。」
「え、」
私に話しかけてきた声の主を見れば、私が見下ろせるほどの男の子が一人と、女の子が一人。
どっちもはっきりとした顔立ちの、そっくりな子供だ。今先輩に連絡しようとしていたのに。すでに頭の中身は双子のホラー映画でいっぱい。
「あの、おうみ倉庫っていう会社は、どの出口から出ればいいですか?」
物怖じせず、しっかりと私の目を見て話す男の子。そして男の子の影に隠れて、恥ずかしそうにしている女の子。
目測だと、私より20センチ以上は低いはず。
「ええと、央海倉庫は私が働いている会社ですけど、東京本部でいいんですよね?」
「はい。」
「良かったら、道案内しますよ?」
「え……いいんですか?」
「はい。いいですよ。」
少し目を泳がせた男の子。偶然話しかけた相手が、まさか探している会社の人間だったなんて、当然戸惑うのも無理はない。
証拠になるかと、私は二人に社員証を見せた。
「……お姉さん、名前。これ、なんて読むんですか?」
「あ、これはね、“かりたにそう”って読みます。」
「ありがとうございます。刈谷さん。」
随分礼儀も言葉もしっかりしているなあと、関心しながらもう一度来た道を戻っていく。
さすがに幼稚園ではなさそう。
改札を出れば、前から一気に風が吹いてきて、二人が小さく身震いをする。



