でもその首位を、数学だけ私が奪ってしまったのだ。
椅子を蹴られて、睨まれて。それ以来彼は私を無視するようになった。
男の子という存在が怖くなり、女子校、女子大に通った私。
社会人になれば、生きていくために背に腹は変えられず。男嫌いだなんて人種差別をしてはならないと自分に言い聞かせ、心の中でジェンダーの壁をとっぱらった。
女性も男性も、みいんな可愛いピンクのゾウさんとして扱った。
でもね、一人だけ、ピンクのゾウさんになれなかった男の人がいたんだよ――――……。
週明けのど真ん中。
財務に呼ばれて経理部予算案の説明をしにいった際、非常階段で朋政課長と、パンツスーツ姿の女性が話し込む場面に遭遇する。
踊り場で課長は、何かの図表を指差しながら、女性に注意を促している模様。
邪魔をしてはいけないと、気配を消して階段を降りていく。



