「でもその前に、フロント行かな、」
「え?」
「ほら、ベッド、離してもらわんと。」
「え、……あの。すみません。もう、いいですよ?」
「え?」
先輩に見つめられて、気まずくて俯いて。
さっきは、これ以上先輩を好きになるのを阻止するために言ってしまった言葉。
とにかくベッドがくっついてるの、『ちょっと嫌』と言ってしまったことを訂正してみるのだ。
「嫌って言ってしまったのは、言葉のあやというか、」
「いや、俺があかん。」
「…はい?」
「今俺から告白しといて、もし今日そういうことしたら、身体目当ての男って思われてしまう。」
「そ、“そういうこと”……?」
「そういうことですから。」
初めての“そういうこと”って怖いはずなのに、先輩と好き合えた嬉しさで、もう先輩になら何されてもいいかなって。
一瞬でもそう思った刈谷は、気が早かったですか?
律儀な先輩。本当にフロントの人にベッドを離してもらうようにお願いしているから、夜のことで緊張していた分拍子抜けだ。
そのままレストランでバーベキュー用のご飯を購入した私たち。
部屋に帰って、早速バーベキューの準備に取り掛かる。



