「あの、私、…りっくんにとっての妹じゃなくてもいいんですか?」
「ん?妹でも恋人でも、爽ちゃんが好きなことに変わりはないよ?」
「え?!い、妹にも恋するってことですか?!」
「……え?なに?俺今なんて言った?」
私の手を引いて、そのまま先輩のポケットに入れられてしまった私の手。
ポケットの中では二つの手が絡まっていること、きっと外の世界には知られていない。
「ええと、お腹、空きましたね。」
「うん。はよう日本酒飲みたいね。」
「はい、あと、奈良漬と。」
今日、武蔵野鶴酒造で買った『さけ武蔵 吟醸酒』と奈良漬がお部屋で待機している。
ロフトでバーベキューしながら初めての彼氏とお酒飲めるなんて。この私に、そんな日が訪れるなんて。
お付き合いするの、人生初めてなんだと噛みしめていれば、握られた手が汗ばんできた。
付き合うって、今までの関係と何が違うんだろうなあ。ふふふ、ふん。
夜のことは考えないように考えないように。今にも脳みそ逃避行しそう。



