コイワズライ

屋上に出ると少し風があり肌寒い。
直(なお)くんはさっさと歩いて色褪せたベンチに座った。私も後を追い少し距離をとって直(なお)くんの隣に座る。


「琴(こと)」


呼ばれて直(なお)くんの方を向いた。


「昨日も言ったけど…」


徐々に赤くなる直(なお)くんの顔。


「すきなんだ…自分でもよくわからないけど、ずっと琴(こと)のことばっか考えてて…どんどんすきがでかくなって」


まっすぐに私をみつめる瞳は時々恥ずかしそうに伏せられる。


「言わなきゃおかしくなりそうだったから」


そう言い終えて一息つくと、せつなげな直(なお)くんの視線が私をとらえた。


「付き合ってほしい」


昨日と全然違う直(なお)くんの表情。
昨日はやわらかく笑っていて落ち着いていたのに、今日の直(なお)くんは顔を赤くして伏目がち。時々合う目は潤んでいてすがるように私をみる。いつもの余裕は感じられない。


ずっと憧れていて直(なお)くんをみていたけど、こんな直(なお)くんは初めてだ。


(直(なお)くんかわいい…)


私なんかが直(なお)くんにつり合うわけがない。私なんかが直(なお)くんと付き合うなんておこがましい。…と思っていたけど、目の前の直(なお)くんはひた向きに想いを伝えてくれてる。私のことを本気で好きになってくれてる。


だから、私も…