…夜が明ける頃には、逃げ延びた全ての革命軍の構成員が、ティターニア家の敷地に着いていた。
「大丈夫ですか、坊っちゃん…」
「…ユーレイリー…」
「全く…。ご無理をなさらぬようにと言ったではありませんか」
「平気だ、このくらい」
国境を越えるとき、憲兵局員が発砲した弾丸がカスってしまった。
でも、こんなのは大した傷ではない。
生きているのだから、大丈夫だ。
「俺の他に、怪我人は…?」
「百名ほど。全員、ティターニア家お抱えの医者に診てもらっています」
そうか。それなら安心だな。
でも。
「…死者は?」
「…正確な数はまだ確認出来ていませんが、十名は下らないかと…」
「…そうか」
逃げようとしているところを、何名かが憲兵局員に撃たれるのを見た。
誰一人欠けずに逃げ延びられたらそれが一番だった。
でも、そういう訳にはいかないのだ。
前を向かなくては。志半ばで散った仲間の為に。
「負傷者の治療を最優先してくれ。それから、彼に…」
会って、話さなくては…と思っていると。
「無事で何よりだ、ルアリス」
「…フランベルジュ殿」
こちらが向かう前に、向こうから来てくれた。
この革命において、ルティス帝国で一番始めの協力者。
フランベルジュ・アンフィトルテ・ティターニア。
ベルガモット王家の親戚筋で、ルティス帝国では非常に名のある貴族だと聞いている。
俺達が国境越えを敢行出来たのは、ひとえに彼のお陰だ。
「フランベルジュ殿…。セトナ様は、どちらに」
「ここに」
フランベルジュ殿の後ろから、今にも泣きそうな顔をしたセトナ様が駆け寄ってきた。
「ルアリスさん、お怪我を…」
「大丈夫です。あなたも無事で良かった」
セトナ様は、この革命の要。彼女の身に何かあったら大変だ。
「フランベルジュ殿…早速ですが、今後の方針について話し合いたいのですが」
「先に、少し休んだ方が良いのではないか?」
「いや…休んでいる暇はない。すぐに…」
俺がそう言いかけたとき。
「その体たらくで何を言うのじゃ、ルアリス」
「休めば良いじゃん…。面倒臭いし…」
二人の女性が、セトナ様の後ろから現れた。
この二人は、『青薔薇解放戦線』のメンバー。
「ミルミル…。それに、ヴィニアス」
「そんな寝不足貧血の酷い顔の男が、革命軍のリーダーとは。情けないのう」
「…うぐ…」
ミルミルの言う通り、ではあるけど…。
言い返す言葉もないけれど。でも。
「俺がしっかりしなくちゃ…皆の為にも」
「そう思うなら、余計にちゃんと休め。そんな様子じゃ、憲兵局にやられる前に寝不足で倒れるぞ」
「…」
おっしゃる通り。
更に。
「そんなに真面目にやらなくて良いじゃん。とりあえず脱出出来てホッとしたところなんだからさ」
何でそんなに真面目にするの?と言わんばかりのヴィニアス。
ヴィニアスは…もう少し真面目になるべきだと思うけど。
でも彼女達の言うことは、実にもっともなので。
「…分かった。フランベルジュ殿…少し休ませてもらっても良いでしょうか」
「あぁ。その方が良い」
少し寝て、起きたら…改めて話し合うとしよう。
「大丈夫ですか、坊っちゃん…」
「…ユーレイリー…」
「全く…。ご無理をなさらぬようにと言ったではありませんか」
「平気だ、このくらい」
国境を越えるとき、憲兵局員が発砲した弾丸がカスってしまった。
でも、こんなのは大した傷ではない。
生きているのだから、大丈夫だ。
「俺の他に、怪我人は…?」
「百名ほど。全員、ティターニア家お抱えの医者に診てもらっています」
そうか。それなら安心だな。
でも。
「…死者は?」
「…正確な数はまだ確認出来ていませんが、十名は下らないかと…」
「…そうか」
逃げようとしているところを、何名かが憲兵局員に撃たれるのを見た。
誰一人欠けずに逃げ延びられたらそれが一番だった。
でも、そういう訳にはいかないのだ。
前を向かなくては。志半ばで散った仲間の為に。
「負傷者の治療を最優先してくれ。それから、彼に…」
会って、話さなくては…と思っていると。
「無事で何よりだ、ルアリス」
「…フランベルジュ殿」
こちらが向かう前に、向こうから来てくれた。
この革命において、ルティス帝国で一番始めの協力者。
フランベルジュ・アンフィトルテ・ティターニア。
ベルガモット王家の親戚筋で、ルティス帝国では非常に名のある貴族だと聞いている。
俺達が国境越えを敢行出来たのは、ひとえに彼のお陰だ。
「フランベルジュ殿…。セトナ様は、どちらに」
「ここに」
フランベルジュ殿の後ろから、今にも泣きそうな顔をしたセトナ様が駆け寄ってきた。
「ルアリスさん、お怪我を…」
「大丈夫です。あなたも無事で良かった」
セトナ様は、この革命の要。彼女の身に何かあったら大変だ。
「フランベルジュ殿…早速ですが、今後の方針について話し合いたいのですが」
「先に、少し休んだ方が良いのではないか?」
「いや…休んでいる暇はない。すぐに…」
俺がそう言いかけたとき。
「その体たらくで何を言うのじゃ、ルアリス」
「休めば良いじゃん…。面倒臭いし…」
二人の女性が、セトナ様の後ろから現れた。
この二人は、『青薔薇解放戦線』のメンバー。
「ミルミル…。それに、ヴィニアス」
「そんな寝不足貧血の酷い顔の男が、革命軍のリーダーとは。情けないのう」
「…うぐ…」
ミルミルの言う通り、ではあるけど…。
言い返す言葉もないけれど。でも。
「俺がしっかりしなくちゃ…皆の為にも」
「そう思うなら、余計にちゃんと休め。そんな様子じゃ、憲兵局にやられる前に寝不足で倒れるぞ」
「…」
おっしゃる通り。
更に。
「そんなに真面目にやらなくて良いじゃん。とりあえず脱出出来てホッとしたところなんだからさ」
何でそんなに真面目にするの?と言わんばかりのヴィニアス。
ヴィニアスは…もう少し真面目になるべきだと思うけど。
でも彼女達の言うことは、実にもっともなので。
「…分かった。フランベルジュ殿…少し休ませてもらっても良いでしょうか」
「あぁ。その方が良い」
少し寝て、起きたら…改めて話し合うとしよう。


