…と、言うか。
オルタンスが笑ったところ、初めて見た。
めちゃくちゃ気持ち悪かった。間違いなくここ五年で一番気持ち悪い瞬間だったぞ。
今の見たかおい。寒気がしてきた。
「ぶふっ…げほっ、えほっ…」
見てみろ。ルーシッドなんか噎せてる。
リーヴァもまた、「…!?」みたいな顔で驚愕に目を見開いたまま固まってるぞ。
あのアストラエアでさえ、ドン引きの表情。
微笑み一つで会議室を混沌に変える男、オルタンス。
それなのに、本人は。
「…?」
何か悪いことしました?とでも言わんばかりの顔。
悪いわ。笑うな気色悪いから。
「何なんだよお前。何見てんださっきから。気持ち悪いな」
こうなってはもう、無視することは出来ない。
今のは不可抗力だ。無視するつもりだったけど、いきなり笑い出されたら突っ込まざるを得ないだろう。
あっ、やべ。あまりの気持ち悪さに鳥肌立ってきた。
普段笑わない奴が笑うとこんなに気持ち悪いんだって、初めて知った。
「いや…さっき、ルレイアからメールが送られてきたんだ」
「…何の?」
「ほら」
オルタンスは、自分の携帯の画面を見せてくれた。
そこには、満開の桜をバックに、妖艶な笑みでポーズを決めるルレイアの姿が映し出されていた。
「…」
「他にも色々あるぞ、ほら」
画面を横にスライドすると、ルルシーとのツーショットやら、仮面をつけた男とポーズを決めていたり、とにかく『青薔薇連合会』の幹部仲間との写真が何枚も送られてきたようだ。
どれも背景が桜なので、恐らくこれは…花見の最中なのだろうな。
あいつら花見なんてしてんのか。
「…で、それを見て何で笑うんだよ」
と言うか、ルレイアは何でそれをオルタンスに送ってきたんだよ。
酔っ払ってんのか?
「微笑ましいじゃないか。ルレイアが楽しそうで」
「…」
「ルレイアが楽しそうにしているところを見ると、こっちも楽しい気分にならないか?」
「…ならねぇよ」
頭おかしいんじゃないの?こいつ。
いや、もとからおかしいけどさ。
「ふん。マフィアの癖に、呑気に花見など…」
アストラエアは吐き捨てるように呟いた。
まぁ…気持ちが分からんでもないが、あいつらは闘争心に燃えているより、呑気に花見でもしていてくれた方が、俺達にとっては安心だからな。
存分に花見を楽しんでくれ。
「羨ましいな、花見…。俺達も会議なんてしてないで、花見しようか。そしてその写真をルレイアに送りたい」
「このメンバーで花見とか、拷問かよ」
「げほっ…げほっ、えほっ」
「…真面目に会議をしてください、オルタンス殿…」
激しく噎せるルーシッドと、嘆くように言うリーヴァ。
もう駄目だ。俺達、今日真面目に会議出来る気がしない。
全部オルタンスのせいだ。
こんな奴と花見なんて、拷問以外の何なんだよ。
大体そんな写真送られても、ルレイアは一瞬見て高笑いして、仲間内で写真を回し見て皆で高笑いして、そして一通り楽しんでから消去られるのがオチだろ。
「…花見は嫌か?」
「花見が嫌なんじゃない。お前と花見するのが嫌なんだよ」
「…そうか。それは残念だ」
そうかい。
お前、もう『青薔薇連合会』行けよ。
「…じゃあ代わりに、このルレイアの写真を待ち受けにしよう」
「…!?」
「げほっ!?…げはっ、げほっ」
「もういい加減やめてやれ。ルーシッドに息をさせてやれ」
そろそろ耐久限界。
この様子をもしルレイアが見ていたら、きっと指差して笑い転げてただろうな…と。
もう何度も思ったことを、俺はこの日も思った。
END
オルタンスが笑ったところ、初めて見た。
めちゃくちゃ気持ち悪かった。間違いなくここ五年で一番気持ち悪い瞬間だったぞ。
今の見たかおい。寒気がしてきた。
「ぶふっ…げほっ、えほっ…」
見てみろ。ルーシッドなんか噎せてる。
リーヴァもまた、「…!?」みたいな顔で驚愕に目を見開いたまま固まってるぞ。
あのアストラエアでさえ、ドン引きの表情。
微笑み一つで会議室を混沌に変える男、オルタンス。
それなのに、本人は。
「…?」
何か悪いことしました?とでも言わんばかりの顔。
悪いわ。笑うな気色悪いから。
「何なんだよお前。何見てんださっきから。気持ち悪いな」
こうなってはもう、無視することは出来ない。
今のは不可抗力だ。無視するつもりだったけど、いきなり笑い出されたら突っ込まざるを得ないだろう。
あっ、やべ。あまりの気持ち悪さに鳥肌立ってきた。
普段笑わない奴が笑うとこんなに気持ち悪いんだって、初めて知った。
「いや…さっき、ルレイアからメールが送られてきたんだ」
「…何の?」
「ほら」
オルタンスは、自分の携帯の画面を見せてくれた。
そこには、満開の桜をバックに、妖艶な笑みでポーズを決めるルレイアの姿が映し出されていた。
「…」
「他にも色々あるぞ、ほら」
画面を横にスライドすると、ルルシーとのツーショットやら、仮面をつけた男とポーズを決めていたり、とにかく『青薔薇連合会』の幹部仲間との写真が何枚も送られてきたようだ。
どれも背景が桜なので、恐らくこれは…花見の最中なのだろうな。
あいつら花見なんてしてんのか。
「…で、それを見て何で笑うんだよ」
と言うか、ルレイアは何でそれをオルタンスに送ってきたんだよ。
酔っ払ってんのか?
「微笑ましいじゃないか。ルレイアが楽しそうで」
「…」
「ルレイアが楽しそうにしているところを見ると、こっちも楽しい気分にならないか?」
「…ならねぇよ」
頭おかしいんじゃないの?こいつ。
いや、もとからおかしいけどさ。
「ふん。マフィアの癖に、呑気に花見など…」
アストラエアは吐き捨てるように呟いた。
まぁ…気持ちが分からんでもないが、あいつらは闘争心に燃えているより、呑気に花見でもしていてくれた方が、俺達にとっては安心だからな。
存分に花見を楽しんでくれ。
「羨ましいな、花見…。俺達も会議なんてしてないで、花見しようか。そしてその写真をルレイアに送りたい」
「このメンバーで花見とか、拷問かよ」
「げほっ…げほっ、えほっ」
「…真面目に会議をしてください、オルタンス殿…」
激しく噎せるルーシッドと、嘆くように言うリーヴァ。
もう駄目だ。俺達、今日真面目に会議出来る気がしない。
全部オルタンスのせいだ。
こんな奴と花見なんて、拷問以外の何なんだよ。
大体そんな写真送られても、ルレイアは一瞬見て高笑いして、仲間内で写真を回し見て皆で高笑いして、そして一通り楽しんでから消去られるのがオチだろ。
「…花見は嫌か?」
「花見が嫌なんじゃない。お前と花見するのが嫌なんだよ」
「…そうか。それは残念だ」
そうかい。
お前、もう『青薔薇連合会』行けよ。
「…じゃあ代わりに、このルレイアの写真を待ち受けにしよう」
「…!?」
「げほっ!?…げはっ、げほっ」
「もういい加減やめてやれ。ルーシッドに息をさせてやれ」
そろそろ耐久限界。
この様子をもしルレイアが見ていたら、きっと指差して笑い転げてただろうな…と。
もう何度も思ったことを、俺はこの日も思った。
END

