これ以上、説得することなど何もない。
俺はルルシーと共に、その場を離れた。
全く、とんでもない保健体育の授業になったもんだな。
言っとくけど、俺、一ミリも悪くないから。
馬鹿な国に生まれた馬鹿は大変だな。
ここ最近で、一生ぶんの「馬鹿」を使ってる気がするよ。
あぁ、嫌だ嫌だ。知能が低い奴を相手にしていたら、俺まで語彙が貧弱になってくる。
これには、ルルシーも深い溜め息を漏らしていた。
「…呆れたもんだな。本当に」
「ただの馬鹿なんですよ。あそこまで馬鹿を貫くなんて、いっそあっぱれですね」
案外と大物なのかもしれない。
馬鹿さ加減で言えば、ルティス帝国代表になれそうだな。
「俺はお前がぶちギレてルアリスを撃ち殺すんじゃないかと、気が気じゃなかったぞ」
と、ルルシー。
俺がぶちギレる?
確かに、最初聞いたときはめちゃくちゃ腹が立ったけど。
あれだけ開き直られると、もう怒る気にもなれない。
「呆れ過ぎて、怒りも沸いてきませんね」
相手が自分と同じ人間だと思えば、もどかしくて腹も立つだろう。
でもあれは、人間ではないのだ。
多分、箱庭帝国で大量に繁殖してる、人の形をした新種の猿なのだ。
猿相手に腹を立ててもしょうがないからな。
「好きにさせとけば良いですよ。あいつが生きようが死のうが、俺はどうでも良いですし」
「ルアリスのこと、割と気に入ってたんじゃなかったのか?」
「はぁ?何で俺が。俺が好きなのはルルシーだけですよ?」
いつ俺が、あんな奴を気に入ってたんだ?
冗談はやめてくれ。
「お前が珍しく結構肩入れするもんだから、気に入ってるんだと思ってたよ」
「…」
…何だ、それ。
俺、そんなに肩入れしてたか?
確かに…やけに、ムキになってたかな。
「本当にどうでも良いなら、説得しようともしないだろ?」
「…そうですね」
そう思ったら…結構肩入れしていた、と言われても仕方ないかも。
何で俺…あんなに必死になったのかなぁ。
…生まれた場所が反対だったら、俺も同じことをしていただろうから、かもしれないな。
「…ふふ」
…なんてな。馬鹿馬鹿しい。
もしも、なんて無意味な話だ。生まれた時代が違う。生まれた世界も違う。
別の世界で俺が何をするか、なんてこちらの俺には関係ない。
この世界の俺は、ここにいる俺だけなのだから。
「とにかく、俺のやるべきことは何も変わりません。『青薔薇解放戦線』を弾除けにして、箱庭帝国に攻め入るだけ。その準備を進めましょう」
「…分かった」
その時点で既に、ルアリスの安否など俺の頭の中から抜けていた。
そんなことより、俺は俺の使命がある。
それ以外のことに、構っている暇はなかった。
俺はルルシーと共に、その場を離れた。
全く、とんでもない保健体育の授業になったもんだな。
言っとくけど、俺、一ミリも悪くないから。
馬鹿な国に生まれた馬鹿は大変だな。
ここ最近で、一生ぶんの「馬鹿」を使ってる気がするよ。
あぁ、嫌だ嫌だ。知能が低い奴を相手にしていたら、俺まで語彙が貧弱になってくる。
これには、ルルシーも深い溜め息を漏らしていた。
「…呆れたもんだな。本当に」
「ただの馬鹿なんですよ。あそこまで馬鹿を貫くなんて、いっそあっぱれですね」
案外と大物なのかもしれない。
馬鹿さ加減で言えば、ルティス帝国代表になれそうだな。
「俺はお前がぶちギレてルアリスを撃ち殺すんじゃないかと、気が気じゃなかったぞ」
と、ルルシー。
俺がぶちギレる?
確かに、最初聞いたときはめちゃくちゃ腹が立ったけど。
あれだけ開き直られると、もう怒る気にもなれない。
「呆れ過ぎて、怒りも沸いてきませんね」
相手が自分と同じ人間だと思えば、もどかしくて腹も立つだろう。
でもあれは、人間ではないのだ。
多分、箱庭帝国で大量に繁殖してる、人の形をした新種の猿なのだ。
猿相手に腹を立ててもしょうがないからな。
「好きにさせとけば良いですよ。あいつが生きようが死のうが、俺はどうでも良いですし」
「ルアリスのこと、割と気に入ってたんじゃなかったのか?」
「はぁ?何で俺が。俺が好きなのはルルシーだけですよ?」
いつ俺が、あんな奴を気に入ってたんだ?
冗談はやめてくれ。
「お前が珍しく結構肩入れするもんだから、気に入ってるんだと思ってたよ」
「…」
…何だ、それ。
俺、そんなに肩入れしてたか?
確かに…やけに、ムキになってたかな。
「本当にどうでも良いなら、説得しようともしないだろ?」
「…そうですね」
そう思ったら…結構肩入れしていた、と言われても仕方ないかも。
何で俺…あんなに必死になったのかなぁ。
…生まれた場所が反対だったら、俺も同じことをしていただろうから、かもしれないな。
「…ふふ」
…なんてな。馬鹿馬鹿しい。
もしも、なんて無意味な話だ。生まれた時代が違う。生まれた世界も違う。
別の世界で俺が何をするか、なんてこちらの俺には関係ない。
この世界の俺は、ここにいる俺だけなのだから。
「とにかく、俺のやるべきことは何も変わりません。『青薔薇解放戦線』を弾除けにして、箱庭帝国に攻め入るだけ。その準備を進めましょう」
「…分かった」
その時点で既に、ルアリスの安否など俺の頭の中から抜けていた。
そんなことより、俺は俺の使命がある。
それ以外のことに、構っている暇はなかった。


