君との恋は面倒すぎる

「もう十分待ったと思うんだよね。いろいろな事情のことももう片付いたと思うし」


 その小さな箱の中には指輪が入っている。

 もうそろそろって考えていたタイミングでこんなの…。


「俺と結婚して」


 ずっとそうしたいって思ってたことを今日ついに蒼空くんが言ってくれた。こんなの断る理由がない。

 毎度のこと、こういうタイミングで泣いてしまう癖はなおらない。


「十年前の今日は、日和が告白してきてくれたから、プロポーズは絶対俺からだって決めてた」


 そんなの考えてくれていることなんて知らなかったし、蒼空くんらしい言葉で伝えてくれているのが嬉しい。

 早くこの気持ちを伝えたいのに、涙で声が出ない。


「…もし受けてくれるなら、来てもらえたらって思うんですけど」


 そう言って少し恥ずかしそうに腕を広げる蒼空くん。

 そんなの断るわけが無い。

 迷うこと無く蒼空くんに思い切り抱きつく。

 今日ほど嬉しい日はない。

 あの日勇気出して告白したこと、あの日受け入れてもらったこと、全部全部嬉しかったけど、どんな日よりも今日が人生で1番幸せだ。


「蒼空くん、大好き」


 今伝えられる精一杯の言葉で伝えると、蒼空くんは私の顔を少し上げさせてすごく嬉しそうな笑顔を見せてくれる。


「俺は愛してるよ」


 とびきり甘くて、今まで一度も言われたことのない言葉。


「無理だ~…!」


 涙を抑えて私も同じだけの言葉と愛を返したいのに返せる余裕はない。

 泣きじゃくる私に少し笑って、こんなボロボロの顔にもとびきり甘いキスを落としてくれる。

 この人を中学の時好きになって、三年間片思いだって思っても、脈がないのかもと悩んでも、諦めずにいて良かった。