「ええっ? どうしたの?」
「魔王様! 今すぐ穴を塞いでください!」
「いいの?」
「お願いします!」
魔王様の背中にしがみついて目をぎゅっと閉じていたけれど、結界が完全に閉じたのを感じた。
ひょいっと魔王様が私を抱き上げた。
「ジョゼ! これからもずっと一緒だ!」
「はい!」
ゴブリンたちが、私と魔王様を取り囲む。
「魔王様、いつの間に?」
「もしかしてふたりは結婚するの?」
「ねえねえ、今すぐ結婚式の準備を始めてもいい?」
魔王様がゴブリンたちに言う。
「今夜ふたりだけのときに求婚するから、それまで待ってて」
ゴブリンたちは『はーい』と、いいお返事。
「どこで求婚するの? 庭園? テラス?」
「僕ら、今からがんばって掃除しておくよ」
私は袖をまくる。
「掃除なら私もやるわよ。任せてちょうだい」
ああ、神様……
聖女がひとり神殿に戻らなくても、どうか目をつぶってください!
END



