「許さなくていいよ、俺のこと」



いっちゃんの声を背に、わたしたちは倉庫を出た──






場所を聞けば、わたしたちの高校から少し行った所にある廃校した倉庫内とのこと。


たーちゃんは気を紛らすためか他愛もない話をしてくれる。


けど、しゅーちゃんはずっと黙ったまま。

倉庫でも途中から口を開かなかったし、


このまま三人に亀裂でも入ったら……




「どこも怪我してねぇか」

「だ、大丈夫。ごめんなさい」

「紫乃は悪くないよ」

「俺が悪い。総長なんて名ばかりだな……」


そんなことないよ、って言ってもきっと"ある"の一点張りになるから言葉をのみ込んだ。