たーちゃんは、わたしのもとへゆったりと歩いてきた。
そして、足を止め一言──


「離れろクソが……」


たーちゃんの声に五人はわたしから手を離した。


「大丈夫?紫乃」

「あり、がと」


わたしの縄をほどいて、たーちゃんの視線は逃げようとする五人へ向く。


「あーめんどくせー……けど待ってて紫乃。五人、ちとオモテナシしてくるわ」


珍しく、目を光らせるたーちゃん──それと……




「樹」


比べ物にならない眼光をいっちゃんに向けるしゅーちゃんは、総長としての威厳に満ちていた。



「……痛ったいなぁ、もう。話すよ」


頬を擦りながら、上体を起こしたいっちゃんは、事の理由を口にしていく。