「あーん、あーんだよ」 「あーん」 「ごめん匠じゃなくて紫乃ね」 「お前どんだけ食わせてぇんだよ。こりねぇな」 一ヶ月── 荒れた高校生活は今日で丁度、一ヶ月が経とうとしている。 やっぱり三人の効果か、わたしに睨んでくる目が気にならなくなって、ヤンキー校なのにそれなりに平和な日々を送れていた。 だから気にしてなかった。 【慣れた時の油断が一番危ねぇからな】 総長の何気ない一言を── わたしだけが