「と言うか何で樹、紫乃のことすぐわかったの?」
たーちゃんが尋ねると、しゅーちゃんも頷いていた。
わたしも気になる。
注目されたいっちゃんはきょとんとして、答えた。
「だって知ってたから」
「そうなの?」
「うん」
たーちゃんに、いっちゃんが小さく頷くと、今度はしゅーちゃんが問いかけた。
「センコーから聞いてたってことかよ」
「違うけど」
『は?』
しゅーちゃんとたーちゃんにの声が重なり、どこからだよ!と言うしゅーちゃん。
だがいっちゃんは、ただニッコリするだけ。
二人は答えないいっちゃんに舌打ちして、歩き出す。
「知ってたなら教えてくれりゃいーのによ」
「それ」
ぶつぶつ文句を言いながら前を歩く二人の後ろをわたしといっちゃんが付いていく。
「紫乃を見た二人のリアクションと、俺達をみた紫乃のリアクションが気になってね」
「へーへー、そうすか」
「さいですかー」
しゅーちゃんとたーちゃんが、わたしたちに、いやいっちゃんに振り向いて口を尖らせた。



