ソフトボールの決勝戦。
私たちのクラスは、負けた。
試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いて、相手クラスから、ワァって歓声があがる。

「負けた…。」
得点板を見つめてると、ミカがすっ飛んできた。

「日葵!行くよ!」私が来てたビブスを引っぺがして、用具かごに投げ入れる。
入口近くで集まっていた相手クラスの人だかりをミカがかき分ける。「ごめんねちょっと通して!」

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駆けつけた頃には遅かった。

「はあ?入場制限!?」
ミカが入口に立っている体育委員に言う。

俊先輩と須藤先輩が出る試合は、全競技の最終試合となったうえ、2人が出ると聞いて学校中の女子が体育館に集まり、入場制限がかかってしまった。

「入場制限って…」
「もうこれ以上人は入れません。」
「え、あと3人だけ!1人でもいいんで!」
「ミカ、いいよもう」
ミカが肩を落とす。
「そんなぁ…。」