「というわけで、夏休みの課題に赤点者用スペシャルメニューが追加されるか、夏休みの数学の補講に参加するかどっちか選べ」


「え〜…まあじゃあ課題で…いやどっちも嫌か…。」頭を抱える。


「ちなみに、補講は、今回のテスト範囲とほぼ一緒だけど、受験生が復習するのを想定しているものだから、三年生向けのやつね。」


「えっ、三年生と合同ってことですか?」


「うん。合同っていうか、2年で参加するやつは多分お前くら…」


「あっじゃあ補講にします」


「は?毎日学校に来て勉強するんだよ、夏休みなのに。」


はい、って頷く。


担任が「まじで?」って一瞬目を丸くする。お前そんなに勉強好きだったっけ、と顔に書いてある。
それから何を納得したのか、「よろしい。」って頷きながら、名簿の”補講”の文字にシュっ、て丸をつけた。


赤点のくせに根性だけはあるやつだ、と思われたかもしれない。




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