制服が、セーラー服から半袖のワイシャツに代わり、リボンがスカーフから細い紐になった。

来週から夏休み。

「日葵ほんとに白いね〜。」
ユイが、半袖からのぞいた私の腕を撫でる。
「羨まし〜」
ミカが夏の間机の引き出しに常備しているうちわをパタパタさせながら、自分の袖を捲って、私の腕と見比べる。
「こんなことなら私も室内競技にしとくんだったわ」
そういうミカはソフトテニス部。

そのとき、教室の前のドアが開いて、担任が顔を覗かせる。
「水野いる?」
ミカが私の右手を掴んで「ハーイ」って挙げる。

「何しでかしたの笑」ってミカがにやにやする。

そのまま私は担任に連行された。

職員室につれてかれ、告げられたのは、数学の赤点。16点だった。


見たことない点数、現実味なくてむしろ笑えた。
「水野が赤点とるなんて、珍しいね~。どうしたの?」
「わかりません。」

思い当たる節しかない。