それから私と俊先輩は、廊下で会うと手を振り合う関係になった。

教室の廊下でロッカーから荷物を取り出してる時に、ちょんちょんって肩を突かれて、振り向くと移動教室中の俊先輩がいて、ニカって笑う。

そんなやりとりが楽しくて、それだけで毎日が楽しくなった。

「なんか最近日葵可愛くなった!」

ミカが、5限と6限の間の休み時間で、おやつ用に持ってきた柿ピーをぼりぼり食べながら言う。

「えっほんと!?」

「恋だね〜」
ユイが微笑む。


そうこうしているうちに、定期考査の時期がやってきた。つまりテスト2週間前。
家で勉強していても、全然勉強に集中できない。

「あ〜も〜」
教科書をパタンと閉じる。