教室に戻ると、ミカとユイが「なんて言われた?」って目を輝かせて聞いてくる。

「教科書貸してって言われて」

「え?なんでわざわざ日葵に?」

「で、あとで話そって…」

「「ええ〜〜ー!!!」」

ミカとユイが手を取って歓声を上げる。

「俊先輩も、日葵のこと好きなんじゃない?」

ユイが私ひそっと呟いて、私の肩をちょんってする。

「え゛っ」
手から箸が落ちる。

「ま〜〜でも俊先輩みんなに優しいし、女子とも仲良いしみんなにあんな感じじゃない?」ミカが頬杖をつく。「天然たらしや。」

「天然たらし」

そうだな、たしかに。