好きになってしまったばかりに、会えなくなって、すごく寂しい。
ほらみろ、好きになんかならなきゃよかったのに。
でも、好きは自分じゃ選べないから。好きになってしまったしまったものはしょうがない。

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ある日の昼休み。

ミカ達とお弁当を食べていたら、教室の前の方が少しざわざわした。
そっちを見るとそこには俊先輩がいた。

バスケ部が、食べるのを中断してこんにちは!って挨拶をする。

「水野いるー?」

バスケ部が、えっなんで水野?ってこっちを見る。

「えっ?」
口から米がボロって落ちた。
俊先輩が「おっいた!」って、ちょいちょいって手招きする。

隣ではミカとユイが、えっなになんで〜?ってキャッキャする。

呼び出されて廊下に出ると、「呼び出してごめん!世界史の教科書持ってない?」って上目遣いをされた。「も〜3年みんな授業あって貸りれなくて。」

「あります!」
「お!貸してくれない?」
置き勉用の廊下のロッカーから教科書を取り出して、渡す。
「いつ返せばいい?」
「明日1限なので、それまでなら」
「わかった、また来るね。」ありがとう!って俊先輩が顔の前で掌を合わせる。
そして、
「あとで話そ」って言った。

コツン!って頭を突かれたような衝撃が走る。

“あとで話そ”………??