想乃はいつも素直で従順だ。真面目な性格で、約束すればちゃんと守ってくれるはず。
想乃がためらう理由があるとしたら、弟の郷だ。中学生の弟を家にひとり、しかも一週間以上もおいては出れないだろう。
この際、姉弟ごと住まわせるか? 一時的なものだ。そこまで困ることはない。
郷の中学校まで、電車で通学したとしてもさほど時間はかからない。二人分の生活費を置いておけば大丈夫だ——うん、これしかない。
考えがまとまったところで、デスクに置きっぱなしのスマホが震えた。着信音と共に振動し、早く出ろと促してくる。
画面にはでたらめな記号の羅列。ミライだ。
この時間に連絡とは珍しい。
「お疲れ様です、ミライさん。どうかしましたか?」
『お話は二つあります。一つは、そろそろお困りの時期かと思いまして……違いましたか?』
「いえ、かなり困っていましたけど、ちょうど解決策が見つかったところです」
『……そうですか。さすがは慧弥さんですね』
「いえいえ。それで二つ目は?」
『実は未来でもトラブルがありまして……会社存続の危機です』
「……え」
『先日、何者かが社長のパソコンに不正アクセスし、企業戦略に関する虚偽の証拠を捏造してリークしました。その対応にしばらく追われるため、次回の連絡が遅くなるかと思います』
「……わかりました」
想乃がためらう理由があるとしたら、弟の郷だ。中学生の弟を家にひとり、しかも一週間以上もおいては出れないだろう。
この際、姉弟ごと住まわせるか? 一時的なものだ。そこまで困ることはない。
郷の中学校まで、電車で通学したとしてもさほど時間はかからない。二人分の生活費を置いておけば大丈夫だ——うん、これしかない。
考えがまとまったところで、デスクに置きっぱなしのスマホが震えた。着信音と共に振動し、早く出ろと促してくる。
画面にはでたらめな記号の羅列。ミライだ。
この時間に連絡とは珍しい。
「お疲れ様です、ミライさん。どうかしましたか?」
『お話は二つあります。一つは、そろそろお困りの時期かと思いまして……違いましたか?』
「いえ、かなり困っていましたけど、ちょうど解決策が見つかったところです」
『……そうですか。さすがは慧弥さんですね』
「いえいえ。それで二つ目は?」
『実は未来でもトラブルがありまして……会社存続の危機です』
「……え」
『先日、何者かが社長のパソコンに不正アクセスし、企業戦略に関する虚偽の証拠を捏造してリークしました。その対応にしばらく追われるため、次回の連絡が遅くなるかと思います』
「……わかりました」



