君と過ごす時(短編)

……え?

そこにいたのは……。

「な、つ……類ちゃ、ん」

どうしよう……気まずい。
「お、お母さん、ちょっとだけ……外に出てもらえる?」
「あら?どうして?まっ、今説教しても仕方ないものね」

そう言って部屋から出てくれた。
……のは、いいものの。

二人は喋らないし、私も言葉が出ないし……。

「……どうして、雨の中……寝るなんてことしたのよ」
沈黙がしばらく流れる中、それを破いたのは類ちゃん。

その声は震えていて……泣いているようにも見えた。
夏もため息をついてから私を見る。

「赤月の言う通りだ。これ以上、俺を心配させるようなことはしないでくれ」
……っ。

夏の言葉に私は、涙が出そうになる。
この涙は……夏は、類ちゃんの恋人なんだと改めて思い知らされたから。

もちろん、こんなのただの自分が勝手に傷ついているだけで……。

二人は何も悪くなかった。