君と過ごす時(短編)

「……でも、なんで私ここにいるの?」

そこが気になっていた。
夕方だったけど、雨だったし、人はいなかったはずだ。

先生かな?

「あ、そうそう!夏くんが救急車呼んでくれたのよ、ありがとう言っとくのよ」
……え?
夏が?

そんなわけないだろう。
それが本当なら、あの後類ちゃんを送ってからまた学校に来たことになるのだ。

なんで、なんのために?

もしかしたら……と私の中に考えが浮かぶ。

もしかしたら、あの後私がどうなったか気になって、見に来た?
失恋した、私を。

そう思ったらつじつまがあう。

夏は私の気持ちに気付いてて、類ちゃんに何か言ったとき……「俺の彼女になったってこと、アピールして」みたいなこと言って、その後私の様子を見に来たら、寝ていたから仕方なく救急車を呼んだ……。

……流石に妄想がすぎるけど、ないわけではないよね。

そのとき、ガララララッとドアが開く音がした。

反射的に振り返る。