君と過ごす時(短編)

う……ん。

あれ……なんでここに私、いるんだろう……。

起きると真っ白い天井、なんだか消毒の匂いがする。

「……っ、憂!大丈夫⁉︎」

……お母さん?

「私、なんでここに……」

とたん蘇る昨日の出来事。

あっ、そうだ私、夏に失恋して……泣き崩れてそのまま寝ちゃったんだ。

雨の中、草むらの上で……。

みんなに心配かけちゃったな……。

申し訳ない気持ちと、夏と類ちゃんの関係に対しての辛い気持ち。
どちらも頭の中で戦いが起きている。

「憂、どうして、あんなところで寝てたの!風邪じゃ済まないわよ‼︎一体どんだけ心配かけてんの‼︎」

「す、すみません……」

激怒するお母さんに深々と頭を下げた。