君と過ごす時（短編）

「……で、赤月、付き合ってくれないか」

……え？
どん底に叩きつけられた気分。
もしかしたら……夏、類ちゃんの事好きだった？
最近私たちの方を見てた時も、類ちゃんが笑顔の時とかだった気がする……。

もしかして、今朝の好きな人を教えれないって、私が類ちゃんにバラすと思ったから……？

……そ、そっ……か……。

すると、夏が類ちゃんの耳元で何かをささやく。

きっと改めて好きだって言ったんだろうな。

類ちゃん、なんで返すのかな……。

「……分かった、付き合うよ」
「……え？いいの、か？」
「うん、憂には内緒ね」

「え……？」

思わず声に出てしまう。
だって、私の気持ちを類ちゃんは知ってるし、好きな人はいないって言っていたから、はいとは答えないと想っていた。

類ちゃん、なんで……？

私の言葉に二人がこっちを振り返る。