君と過ごす時(短編)

放課後。

類ちゃんは、「なんか、男の子に呼び出されたとか言って先にどこかへ行ってしまった。

ドキドキドキドキ。

……っ!夏だ……!

一人で裏庭へ向かう夏。

裏庭は、人気がないからとても告白にはもってこい。

「……っず、な……」
「ごめんね、待たせて」

……え?

「……ああ、いいよ」

その夏の「ごめんね、待たせて」の声と、見知らぬ……ではなく、よく聞いた女の子の声が響く。

この声……。

「松川〜!どう?クラスではこのこと喋れないから……!」
「俺も」

ドクドクと、嫌な予感が心臓にある。

夏は女の子苦手だから、私と他数人以外の女の子とは喋れないほど。

だけど……夏、とても親しそう。